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おバカなプーたろう


2009年5月30日

橋本治の徒然草

時間つぶしに買った文庫本が面白かった。
 


河出文庫の「絵本徒然草」。
 
 
絵はこの際どうでも良い。
 
 
橋本治の現代語がなんと言っても徒然草にあっているのだ。
 
 
有名な序段。
「 つれづれなるままに日くらし硯にむかひて、心にうつりゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 」
 
これが、橋本治にかかるとこうなる。
 
『 退屈で退屈でしょーがないから一日中硯に向かって、心に浮かんで来るどーでもいいことをタラタラと書きつけてると、ワケ分かんない内にアブナクなってくんのなッ! 』
 
 
ぷぷぷっ。確かに。
 


 
 
 
 
 
第一段
途中から
「 人は、かたちありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ。 
   ( 人間は、顔と見た目がすぐれてるっていうのが絶対、理想なんじゃないの。)
物うち言ひたる、聞きにくからず愛敬ありて、言葉おほからぬこそ、飽かず向はまほしけれ。
   ( ちょっと話をしてるんでも、耳ざわりじゃなくて魅力があって、言葉数が多くない
     人っていうのが絶対、長いことでも向き合っていたいよな。 )
めでたしと見る人の心おとりせらるる本性見えんこそ、口をしかるべけれ。
   ( 立派だと思ってた人が、幻滅しちゃうような本質をみせちゃうっていうのはさ、残念だ
     よなァ。 )
しなかたちこそ生れつきたらめ。
   ( 身分や容貌っていうのなら生まれつきだろうさ。 )
心はなどか、賢きより賢きにも移さば移らざらん。
   ( 中身はどうかな?『賢明から更に賢明へ』って、変えようとすれば変わるんじゃない
     の? )
かたち心ざまよき人も、才なく成りぬればしなくだり、顔憎さげなる人にも立ちまじりてかけずけおさるるこそ、本意なきわざなれ。
   ( 顔や気だてがいい人だっても、知性がなくなっちゃえば、下等になるし、品のない顔
     をしてる人間の中に入って簡単にブッつぶされちゃうっていうのが絶対、残念無念
     なことなんだよなぁ。 )

ありたき事は、まことしき文の道、作文、和歌、管弦の道。
   ( 持っていたいものは、本格的な学識教養、漢詩、和歌、音楽の才能。 )
また有職に公事の方、人の鏡ならんこそいみじかるべけれ。
   ( あと、有職に儀式の方――これで人の手本になるっていうのが最高なんじゃないか
     な。 )
手などつたなからず走り書き、声をかしくて拍子とり、いたましうするものから、下戸ならぬこそ男はよけれ。
   ( 字なんかが下手じゃなくて走り書きでな、いい声で拍子とってな、迷惑そうにはしてて
     も、下戸じゃないっていうのが絶対、男はよし! だな。 )  」
 
 
 
 

徒然草って、ちょっと面白い誰かのブログを読んでいるみたいな気分になってきた。
 
江戸時代とかに、けっこうみんなに読まれていた、というのがわかる。
 
 

第四十段
「 因幡国に何の入道とかやいふ者の娘、かたちよしと聞きて、人あまた言ひわたりけれども、この娘、ただ栗をのみ食ひてさらに米のたぐひを食はざりければ、
  『 かかる異様の物、人に見ゆべきにあらず 』 とて、親ゆるさざりけり。 」

『 因幡の国でな、ナントカ入道とかっちゃうやつの娘、美人で評判で、男が大勢言い寄って来たっちゅうんだが、この娘、やたら栗ばっかり食って一向に米の類を食わなかったもんだからよ、「こんな異様(アブノーマル)なやつ、男にくっつける訳にゃいかん!」てな、親は許さなかったんだと。 』
 
註によると、娘は「あたし、ゴハンなんか嫌い」でスナック菓子の類ばっかり食っておった・・・らしい。
 
 
 
 
 
 
 

 
第四十三段
 
「 春の暮つかた、のどやかに艶なる空に、いやしからぬ家の奥深く木立もの古りて庭に散りしをれたる花見過ぐしがたきをさし入りて見れば、南面の格子みなおろしてさびしげなるに、東に向きて妻戸のよきほどに開きたる。御簾の破れより見れば、かたち清げなる男の年廿(はたち)ばかりにて、うちとけたれど心にくくのどやかなるさまして、机の上に文をくりひろげて見ゐたり。
  いかなる人なりけん、たづね聞かまほし。  」

『 春も昏れゆく頃、のどかになまめかしい空の下、いやしからぬ屋敷で奥も深い。木立は古びがついて、庭に散り落ちた花が見過ごしにくかったもんでちょっと入ってみると、正面南側の格子は全部下してシーンとしているところに、東に向けて妻戸がいい具合に開いている。御簾の破れから見ると、美しい顔立ちの男で、年は二十歳くらいでな、気を抜いてはいるんだが、いい具合にリラックスした様子で、机の上に本を広げて見入っていた。
  どういう人だったんだろう?
  尋ねて訊きたいもんだがな・・・・・。  』
 
 
 
 
 
 
どの段にも、後ろに長い註が付いていて、時代背景とか、良く説明されていて、徒然草が面白くなること請け合いです。